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脳神経移植科(神経再生医療)

脊髄損傷に対する再生医療等製品ステミラック®注を用いた診療について

東京労災病院 脳神経移植科において、2022年9月よりステミラック注(自家骨髄間葉系幹細胞投与)を用いた急性期脊髄損傷の再生医療を開始し、関東で初めての投与を行いました。 ステミラック注は、本人の骨髄液中の間葉系幹細胞を培養で増やし、点滴で体内へ戻すことで脊髄損傷による機能改善を図ります。急性期脊髄損傷患者さんに保険適応のある再生治療で、既存の脊髄損傷治療(リハビリテーション治療等)に併用して行います。当院では経験豊かなリハビリテーション療法士が最新の治療機器等を用いてリハビリテーションを行い、回復期リハビリテーション病院とも連携を取っております。 当院までの搬送に関して: 関東近隣の方は、当院救急車で搬送可能な場合があります。 遠方の方では、羽田空港または品川駅・東京駅から当院救急車で搬送を行います。

急性期の投与をご希望される方は、主治医を介して当院地域連携室までお電話もしくはFAXでご連絡下さい。

お知らせ

当科では脊髄損傷の急性期の全身管理・リハビリテーションから慢性期の社会復帰に向けての総合的な治療を行っております。 患者さん及びご家族からの直接の治療申し込みは受けておりませんので、必ず入院中の医療機関の主治医に当院への紹介をご依頼下さりますよう、宜しくお願い致します。

患者さんの紹介を希望される主治医様は以下の診療情報提供書(PDF形式またはExcel形式)をダウンロードしていただき、下記送付先までe₋mailもしくはFAXにてお送り下さい。

【送付先】東京労災病院 脳神経移植科

FAX:03(3744)9310

E-mail:

anamioka@tokyoh.johas.go.jp

tnamioka@tokyoh.johas.go.jp

※本メールに医療機関・医師以外の方からメールを頂いても対応は致しかねますので、御了承下さい

診療情報提供書(PDF)診療情報提供書(Excel)

適応疾患 及び 適格基準

適応疾患:

外傷性脊髄損傷で、ASIA機能障害尺度がA, BまたはCの方(重症の方)

適格基準:

①骨髄液の採取を、脊髄損傷受傷後31日以内を目安に実施できる方

注)培養の準備のため、実際には受傷後2週間以内を目安に転院が必要です。

②以下に該当しない方

  • 本品の成分に対して過敏症の既往歴
  • 悪性腫瘍の合併又は既往
  • アレルギーの素因
  • 感染症を合併
  • 体重が低い方(特に小児)や貧血
  • 全身状態が極めて不良(例:内分泌代謝疾患、循環器疾患、呼吸器系の 疾患、消化器系の疾患、重度の多発性外傷、多臓器障害等)
  • 重度の頭蓋内病変、主要血管の高度狭窄、解離性大動脈瘤、強い動脈硬化性変化、重度の石灰化等を認める
  • 重度の脊髄・脊椎疾患(骨粗鬆症、脊髄腫瘍、脊髄血管奇形、脊髄空洞症等)を認める
  • 血圧を収縮期140 mmHg以下、拡張期90 mmHg以下にコントロールすることができない
  • その他医師が不適切と判断した方

注)適格性判断に際して、詳細な全身スクリーニング検査を実施いたします。

投与に不適切と判断される併存症、合併症が認められた場合には治療をお受けいただけません。

投与実績

全国から患者さんのご紹介を頂いており、年齢も10代から70代までと幅広い患者さんに投与しております。

当院における2024年12月現在のステミラック注投与症例数

投与例 40
対照群(非投与例、現在募集なし) 17
中止例 8
現在培養中 2
合計 67
中止理由
感染症 6
2
*投与には細かな条件がありますので、ご希望された方全員が投与できるとは限りません。

スタッフ紹介

名前 浪岡 愛(なみおか あい)
職名 脳神経移植科副部長、リハビリテーション科副部長(兼務)
学歴等 平成16年 北里大学医学部卒 平成30年 札幌医科大学大学院神経再生医療学卒、医学博士
認定医 日本再生医療学会再生医療認定医 日本医師会認定産業医
専門医 日本脳神経外科学会専門医 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医 日本脳神経血管内治療学会専門医 日本リハビリテーション医学会認定専門医
その他 身体障害者福祉法第15条指定医
名前 浪岡 隆洋(なみおか たかひろ)
職名 リハビリテーション科副部長、脳神経移植科副部長(兼務)
学歴等 平成16年 北里大学医学部卒 平成30年 札幌医科大学大学院神経再生医療学卒、医学博士
認定医 日本再生医療学会再生医療認定医、日本医師会認定産業医
専門医 日本脳神経外科学会専門医 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医 日本リハビリテーション医学会認定専門医
その他 身体障害者福祉法第15条指定医