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補聴器外来

最近聞こえが悪くなってきた、そろそろ補聴器が必要かな?と思われた場合には、いきなり補聴器を購入するのではなく、まず耳鼻科を受診することをお勧めします。補聴器相談に来られた患者さんで、耳垢が詰まっていただけのケースや、痛みのない中耳炎などの病気が見つかることもあり、補聴器が不要な場合も時々見かけます。

また、補聴器は市販されていますので誰でも購入することができますが、メガネなどと異なって個々に合わせた調整が必要な器具です。低い音から高い音まで、聞こえの程度は一人一人異なりますので、うまく機種の選択と調整をしないと購入してもよく聞こえません。

「補聴器を使ってみたいけど、効果がわからないのに買うのはちょっと・・・。」

「お店に行くと高いものを買わされそうで心配・・・。」

という方も遠慮なくご相談下さい。また、すでに補聴器を持っておられる方で、上手く合わず使っていない、使いづらいという方、また両耳装用してみたいという方のご相談も受けつけております。
当院は厚生大臣の定める補聴器適合検査施設基準に適合した届出施設です。お手持ちの補聴器の効果を確認していただくことも可能です。

補聴器外来

補聴器相談の流れ

  1. 一般外来を受診して頂き、治療が必要な病気がないか診察します。聴力検査を行い補聴器の適応の有無を判断します。
  2. ご都合のよい日に補聴器外来の予約を取ります。補聴器外来を受診する前に、語音聴力検査(言葉の聞き取りの検査)を行います。この検査は補聴器をつける耳を決めるためや、身体障害認定、また補聴器装用後の効果判定のために必要となります。
  3. 補聴器外来で補聴器適合判定医、業者(認定補聴器技能者)立ち合いのもと、補聴器の機種選択、フィッティング(患者さん個々に合わせた調整)、装用指導を行い、試聴器をお貸出しします。
  4. 1~2週間ご自宅で補聴器を使っていただき、再度専門外来を受診して頂きます。どのような時にうるさく感じたか、どのような時に聞き取りづらかったかなど感想を伺い、必要に応じて再調整、機種変更を行います。補聴器適合検査を行い、補聴器装用の効果を客観的に判断し、検査結果を元にさらに補聴器の調整を行います。
  5. ご自宅での試聴、使用時の感想の確認、必要に応じて再調整、機種変更、貸し出しを繰り返します。試聴時にはイヤーモールド(その人の耳の型をとった耳栓)を作成してお貸し出しすることも可能です。イヤーモールドを作成することでハウリングや紛失のリスクを減らします。
  6. 効果が十分と判断されれば補聴器を決定します。あまり効果が実感できない場合は補聴器を返却していただいてかまいません。

すでに補聴器をお持ちの方は、その補聴器が患者さんに適したものであるかを調べ、再調整をさせていただきます。必要があれば機種や装用耳の変更についてもご提案します。

補聴器を上手に使うためには、使用される方の努力も必要です。補聴器の音に徐々に慣れる、いわば脳のトレーニングも必要となります。当外来では補聴器を快適に使用していただけるようサポートしていきます。

気になるお金のはなし

「補聴器って何十万もするって聞くけど・・・。」と心配され、補聴器を試したいと言い出せない方も多くいらっしゃると思います。もちろん、どれも安価なものではありませんがいくつも種類があります。3万円前後のものから30~40万するものまでありますが、補聴器は高ければよいというものではありません。その人に合ったものを選んでいただきたいと思います。

補聴器を使用される方の難聴の程度や年齢などによっては行政から補助があります。該当される方には申請書類をお作りしています。

例1:難聴のため身体障害認定を受けられている方は、自立支援法対象補聴器が支給されます(自己負担金が1割必要、ただし収入により負担額が変わる場合があります)。
例2:大田区にお住まいの住民税非課税世帯の70歳以上の方は2万円の助成を受けることができます。その他の自治体でも助成制度を設けているところがあります。制度の有無についてはお住まいの自治体にお問い合わせ下さい。