乳腺外科
①乳がん診療について
乳がん罹患者数は年間約90000人以上に上るとされ、今や9人に1人が乳がんに罹患、女性において、乳がんはがん罹患第1位を占めます。40歳台後半にまず罹患のピークがあり、60歳台にもピークを呈します。社会的役割の多い、いわゆる「働き盛り」の世代でもなり得るため、治療はもちろんですが、精神面・社会的背景などにも配慮した診療を行って参ります。
治療は、ガイドライン・科学的根拠に基づき、手術に加え薬物療法・放射線療法など集学的治療を行います。医師のみならず、薬剤師、看護師など様々な職種が力を合わせ、チーム医療を行います。
また、乳がんの中にはBRCAと言う遺伝子の変異により、がん発症リスクが上昇する「遺伝性乳癌卵巣癌症候群」が5~10%含まれるとされ、遺伝子変異を有する場合は乳がんの他、卵巣がん・膵臓がん・前立腺がん等への罹患リスクが上昇します。2021年3月より遺伝性腫瘍外来を設立、院内でBRCA遺伝学的検査を行うことが可能です(ただし検査には一定条件が必要です)。検査の結果、必要に応じて遺伝カウンセリングを行い、家系員の遺伝カウンセリング・検査については関連施設である昭和大学病院へご紹介致します。
※遺伝性腫瘍外来では、乳がんのみならず現在保険収載されている遺伝学的検査や遺伝性腫瘍の対応も致します。詳細は遺伝診療部のホームページも参照ください。随時ご相談下さい。
②乳がん検診について
40歳以上でのマンモグラフィ検診は、乳がん死亡率低下に繋がると科学的に証明された検診方法で、現在日本では自治体検診 (区検診)で行っています。一方で、乳房濃度が高い場合、マンモグラフィでは「しこり」としてのがん検出率低下が問題視されていました。超音波はマンモグラフィと併用することで発見率が上昇する反面、要精査率が高い・石灰化の観察は困難・人的要素など問題点も多く、現状は自費検診となっています。
また、2023年4月にマンモグラフィ装置が一新され、3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)撮影が可能となりました。乳房は厚みがある臓器のため、一枚の画像では乳腺との重なりで「しこり」が見えにくくなることがあります。3DマンモグラフィはX線管球を動かしながら低線量で複数の画像を作成し、断層画像を再構成することで、奥まった「しこり」も見やすくなる技術です。欧米の研究では検診における有用性は確立していますが、現在の日本では自治体検診では非対応で自費検診の扱いになります。3Dマンモグラフィ検診は大田区では当院のみの対応になります。
当院では自費検診も積極的に推奨し、予防医学にも尽力して参ります。結果は郵送でご案内します。








(令和8年4月1日現在)


