9)就労支援
労働者健康安全機構、全国の労災病院、産業保健総合支援センターでは「治療と仕事の両立支援」に力を入れています。脳卒中で後遺症のため就労能力が低下すると復職が難しくなります。注意障害などの高次機能障害のため、復職しても仕事を続けるのが難しい、周囲の負担が増えるということもあります。職場ではできること、できないことを把握し仕事が続けられるように、医療機関と職場の連携も重要です。近年は、患者、医療機関、職場をつなぎ、病気の治療と仕事を続けられるように支援する「両立支援コーディネーター」が活躍しています。労働者健康安全機構では両立支援コーディネーター研修を行っており、2020年度1年間では約3,400名が受講しています。また、脳卒中に関しては2020年度の診療報酬改定において、両立支援コーディネーターの所属する医療機関で両立支援指導料が算定できるようになりました。東京労災病院には治療就労両立支援センターがあり、すべての病気や怪我の患者さんに対し社会復帰をサポートしています。脳卒中についても担当の両立支援コーディネーターが、当院入院中から回復期リハビリテーション、復職後までフォローし調整、支援しています。